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検定対策コラム

単語の使い分け方を知って検定問題に挑戦!

武田明子
Anna Esposito監修Le Ali 31号

検定の問題を解くには、単語の意味だけを覚えているだけでは十分ではないこともあります。使い方や使い分けを理解しておくことが大事です!まずは準2級の、この問題を一緒に考えましょう。

Per la prenotazione ____ del numero della sua carta di credito. *1

  • a) bisogno
  • b) bisogno
  • c) bisogniamo
  • d) abbiamo bisogno
(2019年秋季第49回 準2級 N24(正答率31.5%))

「~をすることが必要だ」を意味する言い回しはいくつかあります。動詞bisognare や名詞bisognoは思いつくと思いますが、具体的な使い方がしっかり頭に入っていないとこの問題は解けません!ポイントはふたつあります。

ポイント1:動詞bisognareは、ほぼ、非人称構文の「bisogna+不定詞または節」の形でしか使われません!

ポイント2:名詞bisogno は「avere bisogno di+名詞または不定詞」という形で「人が~を必要とする、~する必要がある」という意味で使われます。

この2つのポイントに照らし合わせて、実際に問題を解きましょう。

まず問題文をよく見てみましょう。Per la prenotazioneは「予約のために」、del numero della sua carta di creditoは「クレジットカードの番号(の)」のような意味になりそうです。この文には動詞らしきものはありません。つまり、空欄には動詞的な役割をする語句を入れる必要があることがわかります。

選択肢a) bisognoを入れてみましょう。
Per la prenotazione bisogno del numero della sua carta di credito.
これだけだと動詞bisognareの1人称単数形になってしまうので、ポイント1「動詞bisognareは、ほぼbisognaの形でしか使わない」に一致しないため、誤りです

次のb)bisognaはその点はクリアしているのでよさそうですが…
Per la prenotazione bisogna del numero della sua carta di credito.
bisognaの後がdel numeroとなっているので、「bisogna+不定詞または節」の形に当てはまりません。これも間違いです。bisognaを使う場合、Per la prenotazione bisogna comunicare il numero della carta di credito.とすると正しい文になります。

次はc) bisogniamoです。
Per la prenotazione bisogniamo del numero della sua carta di credito.
選択肢a) bisognoと同じく、これだけだと動詞bisognareの1人称複数形になってしまうので、ポイント1「「動詞bisognareは、ほぼbisognaの形でしか使わない」に一致しません。これも不正解です。

d) abbiamo bisognoはどうでしょうか?
Per la prenotazione abbiamo bisogno del numero della sua carta di credito.
これはポイント2の「avere bisogno di~」を1人称複数で活用させたものなので、問題ありません。
したがって、正解はd) abbiamo bisognoとなります。

次に、まぎらわしい接続詞の問題を一緒に考えましょう。

_____ nevica molto, in montagna le strade sono bloccate. *2

  • a) Perché
  • b) Poiché
  • c) Perciò
  • d) Per cui
(2018年秋季第47回 3級 N35(正答率27.7%))

理由を表す接続詞を入れる問題です。
まず、文を読んで意味を確認しましょう。前半は「雪がたくさん降る」後半は「山では道がふさがれている」。因果関係は「雪がたくさん降る→だから→山では道がふさがれている」となります。

それぞれの選択肢を確認しましょう。
a) Perchéも b) Poichéも「~だから」という理由を表す接続詞ですね。でも、文の中での位置が違うのです。
perchéはA perché B →「BなのでA」
のように、理由を表す節が後に来る場合に使います。
それに対してpoichéは、poiché A, B →「AなのでB」
のように、理由を表す従属節が前に来る場合に使います。

問題文にそれぞれを当てはめてみましょう。
Perché nevica molto, in montagna le strade sono bloccate.
perchéは理由を表す節が後に来る場合に使うので、この位置に来るのは間違いです。

perchéを使う場合、この形ならOKです。
In montagna le strade sono bloccate perché nevica molto

Poiché nevica molto, in montagna le strade sono bloccate.
こちらは文の中の位置は正しいですね。意味も「雪がたくさん降るから、山では道がふさがれている」と意味が通り、正解となります。

他の選択肢も念のため確認しましょう。

c) のPerciòは、文の前半の内容から導き出されることを後半に続けるときに使います。
A perciò B.は「AだからB」です。
問題文に入れてみると、 Perciò nevica molto, in montagna le strade sono bloccate.
となりますが、この位置に入れるのは間違いです。
正しい文にするにはNevica molto, perciò in montagna le strade sono bloccate.としなくてはいけません。

最後に、d) Per cuiは「そのため」という意味の接続の働きをする句で、関係代名詞です。cui は前に言ったことを表し、「その(前のことの)ために」という意味になります。A→per cui →B は「A,それゆえにB」「AだからB」となります

問題文に入れてみると
Per cui nevica molto, in montagna le strade sono bloccate.
文中での位置が間違いです。
per cuiを使った正しい文はNevica molto, per cui in montagna le strade sono bloccate. となります。

というわけで、答えはb) Poichéでした。

これらの接続詞は違うパターンで登場する場合もあります。準2級以上でも出題されるので要チェックです!

(今回の検定対策は、2020年1月に発売された『イタリア語 基本単語 使い分けブック(ベレ出版)』(アンナ・エスポジト/武田 明子著)の共著者、武田先生に執筆していただきました。
*1は同著の【動詞20「必要」だからまとめて覚えよう!】、*2は【形容詞・副詞・接続詞 11違いを知って使いこなしたい接続詞たち】に詳しい解説が出ています。こちらも活用し、検定試験対策にお役立てください。)

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