検定対策コラム
一筋縄では行かない、イタリア語の「…できる」(準2・3級レベル)
- Le Ali 34号
イタリア語で「…できる」といえば、最初に多くの方が補助動詞のpotereを思い浮かべますね。
Posso leggere ancora senza occhiali.
「まだ眼鏡がなくても、読むことができる」
Possiamo battere qualunque squadra.
「どんなチームも倒すことができる」
Potete entrare quando volete.
「好きなときに入ることができる→お好きなときに入っていいですよ」
といったように、potereは能力や可能性、許可などを表します。
似たような意味を持つ単語にriuscireがあります。
こちらも「…できる」という意味がありますが、「なんとかして、苦労して」といったニュアンスも含まれ、「成功する」という意味もあります。
また、potereが、動詞に前置詞を伴わずに、不定詞をとるのに対し、自動詞riuscireは、前置詞aを必要とし、そのあとに不定詞を置きます。
Riusciamo a finire il lavoro non prima di domani.
「明日までに(なんとかして)仕事を終えることができる」
では、過去に出題された問題を見てみましょう。
〈第51回 3級 【正答率】60.2%〉
La porta era ben chiusa e i ladri non ______ ad aprirla.
a) hanno potuto b) sono potuti
c) hanno riuscito d) sono riusciti
扉がしっかりと閉まっていて、泥棒たちはそれを開けることができませんでした。
さらに、riuscireは、近過去などの複合時制にessereを使うので、正解はd)であると選択できます。
riuscireと似た意味を持つ単語にfarcela「うまくやる、成功する」があります。fareに人称代名詞ciの強勢形ceと人称代名詞laがついた代名動詞で、会話でよく耳にします。
否定形の Non ce la faccio più!「もう耐えられない! もうお手上げだ!」も日常会話でよく使う言い回しです。
〈41回 準2級 【正答率】70.5%〉
Se ti impegni un po’ di più, ______ farai sicuramente!
a) ce lo b) ce la
c) te lo d) te ne
もう少し努力すれば、君はきっとうまくやりとげられるよ!
faraiは未来形の2人称で、前に、ce laをつければOK。正解はb)ですね。
複合時制の場合は少し注意が必要です。
〈第45回 準2級 【正答率】62.0%〉
Ho ripetuto l'esame per ben tre volte e alla fine ______ superarlo.
a) ho fatto di b) ho fatto per
c) l'ho fatto a d) ce l'ho fatta a
私は試験を3回も繰り返して、ようやく何とか合格することができた。
fattoの語尾をlaに合わせてfattaとしなければなりません。よって、正解はd)です。
また、laは母音字の前なので、l'hoとします。こちらも、riuscireと同様に前置詞にaを用い、不定詞を続けます。potereと組み合わせて、Possiamo farcela!「うまくやることができる!」などと使うこともよく見られます。この場合「できる」ことがより強調された感じとなります。
経験や訓練などの結果として「…できる、…する能力がある」 という場合はsapereを使います。
Siccome ho frequentato il corso di nuoto, so nuotare bene.
「水泳教室に通ったので、上手に泳ぐことができる」
一方、potereを使用した場合には、以下のような意味になります。
Oggi non posso nuotare perché ho la febbre.
「熱があるので、今日は泳ぐことができない」
と「本来は泳ぐことができるのだが、何かの理由で泳ぐことができない」という意味が含まれます。
そのほか、「…できる」には、次のような言い回しもあります。
◆essere in grado di...
「…できる状態にある」
Sei già in grado di passare l’esame.
「君はすでに試験に合格できる状態にある」
◆essere capace di [a]...
「…する能力がある」
Mio figlio di 5 anni è già capace di [ad] andare in bicicletta.
は Mio figlio di 5 anni sa andare in bicicletta. と言い換えることができます。
「私の5歳の息子はすでに自転車に乗ることができる」
◆essere possibile「…することは可能だ」は非人称的に用い、
È possibile passare l'esame.「試験に合格することはできる」などのように使用します。
いろいろな「…できる」を駆使して、イタリア語の語彙力を高めてください!
(解説:Le Ali編集部)