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検定対策コラム

essereとavereの使い分けをマスターしよう(3級レベル)

Le Ali 35号

 Le Ali35号の巻頭エッセー(イタリア散歩道)では、過去形などの複合時制や受動態をつくる際に用いるessereavere、助動詞の区別に手こずる南部出身の短編集についての紹介がありましたが、私たち日本人にとっても他人事ではありませんね。日本人は、自動詞と他動詞を区別できていないことがよくあるようです。このため、essereavereの2つの助動詞の選別にも苦労しているのかもしれません。 例をいくつか見てみましょう。


 たとえば、往来発着の動詞については、その多くが、自動詞で助動詞にessereを必要とします。


venire「来る」
 Sono venuta a Roma.
 「私はローマに来た」

andare「行く」
 Sono andata a Roma.
 「私はローマに行った」


 しかし、visitare「訪れる」も自動詞としたいところですが、こちらは、他動詞の扱いとなるため、助動詞にavereを使います。


 Ho visitato Roma.Sono andata a Roma.

 「私はローマを訪れた」


 avereを助動詞に用い、前置詞も不要となります。
 =Ho fatto una visita a Roma.

 

〈第52回(2021年春季)3級N 33〉

Sono stato a Pisa tre volte, ma non ho mai visitato _____ famosa Torre Pendente.

 a) la b) alla c) nella d) sulla

「私はピーザに3度行きましたが、有名な斜塔は一度も訪れたことがありません」

 visitareは他動詞ですから、よって正解は、a)のla。正答率は51.4パーセントでした。約半分の方が、"Ho"と大きなヒントが隠されているのに、前置詞を用いると考えてしまったようですね。

 arrivare
「到着する」も自動詞ですので、助動詞にはessereを用います。


 Sono arrivata a Roma.

 「私はローマに到着した」

 giungereも、「到着する」という意味で、自動詞扱い、助動詞はessereです。


 Sono giunta a Roma.

 「私はローマに到着した」

 ところが、同じく「到着する」の意味を持つ、raggiungereは、他動詞扱い! なので、助動詞にはavereを用います。ややこしいですね……。


 Ho raggiunto Roma.

 「私はローマに到着した」

 いずれも、到着したという意味なので、文章で「到着した」と何度も表現したい場合、arrivareの多用を避けて、giungereraggiungereも用いると良いでしょう。

 助動詞として、avereとessereを用いる動詞があるので、注意しましょう。

〈第48回(2019年春季)3級 N 31〉

Tu, Anna, con chi ______ il Natale? Con i tuoi?

 a) hai passato  b) ha passato
 c) sei passata  d) è passato

「アンナ、君は誰と一緒にクリスマスを過ごしましたか? 君の家族と一緒に?」

 正解はa)です。passareには、自動詞を用いた「通る;立ち寄る;過ぎる」、他動詞を用いた「越える、越す;過ごす;渡す;合格する」といった意味があるので、混乱してしまいますが、上記の問題は、il Nataleと直接補語があるので、ここには、他動詞が入るとわかります。こちらも正答率は56.8パーセントと高くはありませんでした。自動詞と他動詞の意味をそれぞれ整理し、自動詞の場合と、他動詞の場合で用いる助動詞が何かということを覚えておきましょう。

 ほかにも、cambiarecominciarefinireiniziarepassaresalirescendereといった動詞(これは一部です)が、自動詞と他動詞の意味を持つので、しっかりと使い分けできるようにしましょう。

 自動詞でも、意味によって、essereとavereを使い分けなければいけない動詞があります。correreがその動詞の一つです。


 Ho corso a lungo.

 「私は走って帰宅した」(目的)


 Sono corsa a casa.

 「私は長いこと走った」(動き自体に重点)

mancareも、意味によって、essereとavereを使い分けます。


 Mi ha mancato di rispetto.

 「彼[彼女]は私に敬意を欠いた」


 Mi sei mancato tanto.

 「君がいなくてとても寂しかった」

 essereとavereの使い分けをしなくても意味は通じるかもしれませんが、実用イタリア語検定では、しっかりと使い分けてくださいね!

(解説:Le Ali編集部)

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