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エッセー集 イタリア散歩道

<資格・検定の醍醐味やメリット>

資格ソムリエ®
林 雄次
Le Ali 37号

 321。これは日本にある資格・検定の数ではなく、私が現時点までに取得した資格・検定の数です。さすがにこれは万人にオススメできるものではありませんが、それなりに醍醐味やメリットを感じているからこその結果です。今回は私、資格ソムリエの林が感じている、資格・検定の醍醐味やメリットをお話しいたします。

 私が資格取得を始めたのは、中学生の時。危険物取扱者がきっかけでした。当時、化学部に所属していて、科学にハマっていた私。それを見た顧問の先生から腕試しに勧められたのが危険物取扱者で、初めての資格取得となりました。大人に混じって試験を受ける緊張感と、合格発表に自分の番号があった時の嬉しさ、国家資格の資格証を手にした時の自信は、いつになっても忘れることは無いでしょう。(下:合格証ファイルとバッジ)

 資格・検定の合格は、会社等の狭い範囲で認められる事とは違って、いわゆる『第三者認証』と言えます。多感な時期の私にとって、国家資格の取得は成功体験として心に強く刻み込まれました。さらに、生まれつき知的好奇心が強いこともあり、新しいことを知る&認められるという資格取得は、この上なく自分に合っていたのです。

 また、これは男性によくある傾向なのかもしれませんが、収集欲が満たされるのも資格取得にハマる原因。ついつい、さらに上の級を狙いたくなったりして、もしかすると試験を実施する側の思うツボなのかもしれませんね(笑)。

 ただ、実際に役に立つメリットが無いと、なかなか続かないもの。高校生になってもコツコツ資格取得は進めていましたが、生活の役に立ったのは大学生になってからでした。

 初めて生活の役に立った資格は『初級システムアドミニストレータ』です。情報処理技術者試験の制度が変わってしまったので、今でいうと『ITパスポート』+α少し難しい位の内容にあたります。小さい頃からプラモデルや工作などの細かい事が好きだった私は、大学生になって初めて、パソコンを購入しました。既に、世の中には様々な資格があることを知っていたので、何かちょうどいい資格は無いかと考え、見つけたのが初級システムアドミニストレータ。好きな勉強は勝手に進むもので、すぐに取得してしまいます。

 大学生にもなるとアルバイトでお金を稼ぐという知恵がついていますので、せっかくなら役立てたいなということに。当時は急激にパソコンの普及が進んでいた頃でしたので、開梱&初期設定の仕事が沢山あり、大学生ながらそれなりの給料がもらえました。資格が実益に繋がって、ここが更に資格にハマったポイントだったのかもしれません。

 資格と生活がリンクしたことで、将来の方向性も変わってきます。大学では社会福祉を学び、国家試験に合格し社会福祉士にもなれたのですが、実際の進路は福祉系ではありませんでした。後からでも福祉系には進めるかもというのと、ITの方が待遇面で望ましい&楽しそうという打算から、大学卒業後はシステムエンジニアとなります。

 ITの分野も、その中身は非常に幅が広いもの。情報処理技術者試験には13の試験区分があり、社内の研修講師をしながら取得を進めていきました。さらに、販売・会計・給与といったビジネス面にも学びを進めるうちに、在職中に社会保険労務士や行政書士を取得。試験に慣れていくことで、自分自身を成長させることができ、効率も高まっていたのだと思います。徐々に資格数と難易度が高まってくると『会社にいなくても大丈夫そうだね』と言われることが増えてきます。そして資格で、自分だけの道を切り拓くことに。

 会社員を続けながら、社会保険労務士として2年ほどの兼業期間を経て、独立。システムエンジニア出身でITに詳しい社労士として、比較的順調にお客様が増えたり、書籍執筆が舞い込んだり、講演なども行うようになります。最近では資格と強みの組み合わせについてお話する機会が増え、雑誌等のメディアにも露出するようになりました。特別な能力や、アイドルのような外見など、稀有な素養を持っているわけではない私が、こうして自分なりの仕事をできるのは、やはり資格の力によるところが大きいでしょう。

 資格は、取得するだけではなく活かしてこそ本来の目的が果たされるもの。やみくもに手を出すのではなく、自分の目指す方向性に合うものを見つけるなどの『探し方』が重要です。もちろん、効率よく学習を進める『学び方』も必要なのは言うまでもありません。そして最後に『活かし方』。これらのバランスを取らないと、資格のメリットが発揮できないように思っています。

 資格が自分の未来を明るくしてくれるのではなく、自分が資格をいかに活用してメリットを形にしていくか。資格や検定を受けつつ、私自身も自問自答と試行錯誤の日々です。今後も皆さんとともに、学び続けていきたいと思います。

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