みんなの受験体験談
イタリア語で楽しいお喋り、を目指して……
- F.M.
- 第31回2010年秋季 4・5級合格Le Ali 28号
もう何十年も前のことになりますが、フィレンツェに留学中の友人を訪ねました。そこで連れて行ってもらったのが、森の中のディスコテーカ。夕暮れから若者が集まってきて、東屋を囲んで踊ったり、お喋りしたり。イタリア人のイケメンくんがやって来て、私がアジア人だからか、「僕はタイで生まれたんだ!」と声をかけられたり。楽しむことが得意なイタリア人気質が印象に残りました。それから十数年。子育てもひと段落した頃、TV番組のイタリア紀行を見ていたら、楽しい記憶が蘇ってきました。「自分の言葉でイタリア人とお喋りできたらいいのになぁ」
その頃、実用イタリア語検定試験を知りました。イタリア語は過去にかじったものの、文法はあやふや。「この際、きちんと勉強してみようかしら」と4級をチャレンジ、5級は実力相当とみなして、2つの級を受けることにしました。準備には『イタリア語検定4・5級突破(三修社)』を読み込み、過去問を繰り返し解きましたが、ヒアリングは苦手。問題の内容を覚えているうちは練習にならないので適度に時間をおき、忘れた頃に解き直しました。そして本番。4級はダメ元と開き直ったのが幸いしたのか、2つの級で合格しました。ところが喜びも束の間、4級合格ではスムーズに会話をするにはほど遠いのです。そこで日伊協会に通うことにしました。講座では、ときにはクイズを混じえ、またあるときはポップスを題材にして文法を学びます。講師は、忘れることが得意な私にも根気よく指導してくださいます。ところがその楽しさにかまけて、検定はおろか、気づけばただの”リピーター”になっていました。
そんな中、日伊協会で検定対策講座が始まりました。ここで心機一転、今は3級合格と「イタリア語で楽しいお喋り」を目指して受講しています。最近、会話にも少し慣れてきました。いつか、イタリア人の友だちができたら、こう尋ねるつもりです。「あなたが生まれた国はひょっとしてタイ?」