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留学せずに1級合格

I.I.
第41回2015年秋季 1級合格Le Ali 23号

 この度運良く1級に合格することができ、僭越ながらこの体験記を書かせて頂く運びとなりました。

 イタリア語を始めたのは就職した後のことで、留学することは叶わず、日本で細々と勉強を続けました。そのせいかどうかはわかりませんが、リスニング力、スピーキング力において周囲のイタリア語学習者の方々と比べて非常に劣っており、それが長い間私の悩みでした。同じ悩みをお持ちの方も多いかと思われます。

 私は特にリスニングが苦手で、克服するためにはやはりたくさんイタリア語を聴くしかないと思い、検定の過去問題のCDはもちろんのこと、amazon.itなどでイタリア語の音声教材を買い求めて聴きました。聴き取りが難しい場合は再生速度を落として聴き、その後徐々に速度を上げていくという方法をとりました。聴き慣れたCDは逆に、速度を上げて聴き、聴きとれた内容をできる限り書き取る訓練をしました。以前は、本番の際に緊張で頭が真っ白になったりしていたのですが、毎日練習を重ねることで、少しずつ落ち着いて受験できるようになったのです。

 スピーキング力を身につけるのも困難なことでした。国内で勉強しているとどうしても会話を練習できる機会は少なくなります。文を頭の中で組み立てるのに長い時間がかかってしまう、という悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。森口いずみ先生が執筆された『口が覚えるイタリア語 スピーキング体得トレーニング』という本を使用し、文を素早く正確に組み立てて言う練習をしました。文を組み立てる速度が上がると、会話もだんだんスムーズになっていくと思います。テキストの音読練習も役に立つのではないでしょうか。

また、単語や表現の習得にも力を入れました。筆記試験には語彙問題が出題されます。問題は、文脈から答えを類推できないように作ってあり、そのために真の語彙力が必要とされるのです。たくさんの文を読み、そこに出てくる単語を拾ってノートに書いて覚えました。単語を覚えることは筆記試験に役立つだけではありません。リスニングができないのは単語を知らないことが原因である場合も多いと聞きます。単語を増やしていくことで、リスニング力のアップも図ることができました。

 それでも実際のところ、合格までの道のりは非常に険しく、何度不合格通知を受け取ったか分かりません。受験しても「どうせ落ちるのだから」とあきらめかけたこともありました。それでも、あきらめずにトライし続けてよかったと思っています。ただし、合格したからといってこれで終わりではありません。これからも日々精進していきたいと思っています。

 最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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