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みんなの受験体験談

イタリア語検定1級メンテナンス受験

齊藤 紀子
2008年第27回、2019年第49回 1級合格

2019年12月のイタリア語検定を受け、無事1級合格いたしました。

■ わたしのイタリア語学習歴と試験歴
 2019年12月の受験日当時55歳。イタリア語学習歴は大学4年プラス独学です。
じつはイタリア語検定1級は以前に合格していましたので、今回はメンテナンス受験の位置付けでした。
2007年4月、43歳のときに東京外国語大学イタリア語専攻へ入学いたしました。そして大学2年次に1級合格しています。3年次にCilsのC2にも合格。しかしイタリア語検定もCilsも、当時はスピーキングがまだまだ足りず、筆記試験の成績に比べて実技試験のスピーキングの成績評価が低かったです。外大在学中の留学経験は、短期のみ。2年次夏と4年次夏に、それぞれフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアでのサマースクールの3週間の留学を2回と、トスカーナでの2週間の語学留学を1回の計8週間の留学経験です。

■ イタリア語を仕事に活かす
 大学卒業後は食品系商社に就職し、海外サプライヤーとの交渉担当を務めました。日本企業らしい古色蒼然とした企業風土の会社で、ずいぶんと息苦しい思いをしながらもイタリア人取引先との交渉にはやりがいを感じました。
当時担当していたサプライヤーはジェノヴァの大手仲買人。ヴェニスの商人よりも銭に厳しいジェノヴァ人ビジネスマンからは毎日きっかり午後4時半に国際電話がかかってきました。毎日30分から45分にも及ぶ売買交渉(という名目のもと会話の3分の2は個人的な世間話であることも・・・)をこなしているうち、なんとなくイタリア語は使い慣れていると思われるものの、実は業務に関する語彙以外は使わないので全般的なイタリア語力は衰えているという不安もありました。

■ イタリア語スピーチコンテストに挑戦
 当時、男尊女卑の企業風土に辟易していた自分は、いつの日かさらなるステップをと願って、イタリア語のスキルを伸ばすために、日伊協会主催のイタリア語スピーチコンテストに挑戦することにしました。
2014年12月の第24回コンテストで全国3位にランクイン。次はさらに上位を狙って2016年12月の第26回コンテストに参加。スクリプトも練習もこれ以上ないまで入念に仕上げ、当日の観客のリアクションも大きく、手ごたえを感じたものの、またも3位でした。
どうしたら優勝できるか、何が足りないのか、仮説を立てて練習を重ね、遂に2018年12月の第28回イタリア語スピーチコンテストで優勝することができました。
この経験から、スピーチの訓練は語学の4技能である「読む・書く・聞く・話す」の力を総動員し、さらに聞き手との呼応を楽しむダイアローグのスキルが伸ばせることを実感しました。
また、スピーチ原稿を練り上げ、デリバリーを磨くためには、自分自身の弱点を徹底的に見つめなくてはならず、辛い作業ですが、自分自身を知り、自分に打ち克つ修練の機会となりました。 そうなのです。スピーチコンテストは、競合コンテスタントとの戦いではなく、己との闘いだったのです。

■ コンテスト優勝の副賞で、およそ9年ぶりにイタリア短期留学
 そうして頂いた優勝の副賞で、2019年夏にボローニャとランゲを旅してさらにイタリア語を磨いてきました。
帰国後、あらためてイタリア語のスキルを棚卸して今後の修業計画を立てるためにイタリア語検定を再受験しようと決めました。目標は二次面接の口頭試問の点数を2008年の数字よりも大きく伸ばすことでした。
結果、2008年は面接合格基準点すれすれの合格でしたが、今回は前回点数に+11点と、自分史上最高点を達成しました。今後は、語彙語法の再強化と洗練された言い回しなどを強化していきたいと思います。

■ イタリア語検定1級や通訳ガイド試験の面接試験を突破するためにもっとも効果的な練習はスピーチ
 イタリア語スピーチコンテストに挑戦するにあたって、トーストマスターズインターナショナルという団体の日本支部に属するスピーチの勉強サークルに入会しました。2014年12月のことです。それ以来、トーストマスターズクラブで、主に英語のスピーチとプレゼンの練習をしてきました。これがイタリア語のアウトプット力増強に効きました。 イタリア語スピーチコンテストでは、一度優勝したらその後は参加資格がなくなるため、今後はイタリア語が好きな仲間と一緒にイタリア語でのアウトプットのスキルを高め合うような「場」が作りたいと思っていました。
そこで、2019年10月、トーストマスターズクラブ日本支部内にイタリア語のクラブを立ち上げました。
La voce Toastmasters Club ラ・ヴォーチェ・トーストマスターズ・クラブ というこのクラブでは、イタリア語と英語の二言語でスピーキングの練習を積むことができます。例会ではイタリア語と英語の朗読(音読)演習、即興スピーチの練習、準備スピーチの練習に加え、ヴォイストレーニングなどのワークショップを行います。これにより、イタリア語検定や英検などの二次面接での即興的なスピーチのスキルを身につけることができます。

■ 今後の検定受験
語学の学習は一生もののプロジェクトだと思っています。これで終わりということはありません。
今後もイタリア語のスキルを伸ばしていくために日々努力したいと思っています。そのためには検定試験の継続的な受験もモチベーションとなるので、ぜひ続けていこうと考えています。
では、みなさん、どこかでお目にかかることができたら、お気軽に声をかけてください!
La voce Toastmasters Club ラ・ヴォーチェ・トーストマスターズ・クラブの詳細については、こちらをご参照下さい。

※上の写真:ボローニャ留学中ステイ先の大家さんが舞台芸術家でした。休日は大家さんの仲間が演じるコンメディア・デッラルテの舞台を観にいきました。

スピーチコンテストの副賞で留学したボローニャの語学学校でコース修了時にいただいた成績証明書。CEFR C2をいただきました。
成績証明書のスキル別評価明細です。スピーキングが伸びているのがとても嬉しかったです。

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