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みんなの受験体験談

きっかけはマエストロのスーツ

泉田 信輝
2021年第52回 4級合格、3級挑戦中Le Ali 34号

私のイタリア語人生の始まりは、イタリア・フィレンツェのサルトリアの巨匠にスーツをオーダーしたことです。
巨匠が2010年に日本に来日した時、スーツを仕立てて貰いました。
そのとき、「もっと話してみたい。もっとイタリアの伝統や文化が知ってみたい。」と思いました。80歳を超えたマエストロが生み出すスーツは伝統工芸品と言うか、芸術作品の様な美しさがあります。

とは言え、私は全くのイタリア語初心者ですので、何から始めて良いかも分からず、新潟市内にあるイタリア語の語学教室に通うことにしました。
まずはイタリア人講師とグループレッスンでイタリア語を一から学びました。それこそ、Aア、Bビ、Cチからのスタートです。その後週1回のペースでレッスン、宿題、個人学習をひたすら繰り返し、現在形を一通り学んだ所でイタリアに行く決心をしました。

2011年初めてのイタリアは圧巻で、目に飛び込んでくる景色、色彩、飛び交う本場のイタリア語、食やアートは衝撃的でした。
現地のバールやホテル、ショッピングで、日本で学んだ単語を思い切って話したところ、不思議とコミュニケーションが成立した事に大きな喜びを感じました。

イタリア旅行から帰国後、グループレッスンだったレッスンも個人レッスンに変更して本格的に学びました。仕事との両立は難しかったですが、忙しい時は一日一問、単語一つでもと自分を奮い立たせ継続学習に取り組みました。

2016年に新婚旅行として、またしてもイタリアを選びました。フィレンツェ、ローマ、ミラノと久しぶりイタリアを訪れ、イタリアへの想いは益々強くなります。

そして、2017年、初めて第44回実用イタリア語検定5級を受験し合格。
筆記、リスニングの出題ですので、検定協会から出ている過去問題を中心に対策しました。肝は単語数、動詞の活用とリスニングです。

2020年51回実用イタリア語検定4級に挑戦したものの不合格。
筆記は合格基準に達していたものの、リスニングで苦戦しました。
不合格の要因と問題の傾向を分析し自身で仮説を立て次回の検定に臨む事にしました。

そして今回、第52回実用イタリア語検定4級に再チャレンジしたところ、見事に合格!今までの努力が一気に報われた気がしました。

具体的な対策としては、前回点数の低かったリスニングの過去問題を手で書き出し、重点的に学びました。聴く・書く・読む・これをひたすら繰り返しました。
また筆記試験では近過去、半過去に注力し学習しました。問題数も多いので、4級合格を目指す方は特に注力して学習する事が合格の鍵になります。
このように学習した結果、ア・ビ・チから始めた私が4級まで合格する事ができました。

気づけばフィレンツェの巨匠にスーツをオーダーしてから11年の歳月が流れ、結婚し、一児の父親になりました。もはやイタリアは私の人生そのものだと思います。その間、ライフスタイルは変化しましたが「イタリアが好き」と言う気持ちは全くブレる事はありませんでした。

最後にこれからイタリア語を始める方、検定試験合格を目指す方へ:
とにかく「楽しむ心」を忘れないでいて頂きたいです。
時には検定試験の結果にこだわる事は重要ですが、最後はどんな結果であれ頑張った自分を褒め、学べる環境や支えてくれた人たちに感謝する心こそが、人としての成長であると思います。

これから私はイタリア語検定3級への挑戦が始まりますが、この拙文が何かのお役に立つなら、同じ目標を志す者としてこれ以上の喜びはありません。

美しい国と、人生を変えてくれた出会いに感謝いたします。

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