みんなの受験体験談
日本で咲かせたイタリア語の花
- Yukako MORII
- 2021年第53回 2級合格
イタリア語の勉強を始めたのは、5年前。夫の転勤先がイタリアだったのがきっかけで、始めたのだった。
私はちょうど娘の出産で産休中だったこともあり、イタリア語は英語の派生(後々逆だと知る)で、そこまで難しいものだとは思わず、気軽な気持ちで始めた。
ところがどっこい・・・
名詞の性数から、動詞の活用、前置詞の謎……学べば学ぶほど、イタリア語は深かった。
それでも、ラジオなどを聴きながら独学で学び、腕試しにイタリア語検定5級を受けてみると合格。そうこうしてるうちに、イタリアへ移り住むことに。
小さい子どもを抱えての海外生活は、最初は不安しかなかったものの、イタリア人の懐の深さに感銘。イタリアにどんどんのめり込む。(写真は家族で行ったシチリアで)
一年のイタリア滞在を終えて、日本に帰国。自力で準2級までは合格ができ、どうせならこのままイタリア語を極めたい…その思いが強くなった。
2級も過去問を解いて、文法書を読み、、、の学習方法でなんとかクリアできるだろう…そう甘く考えていた。
しかし2級のレベルは、掘っても掘ってもそこの見えない沼のような…そんな錯覚を覚えるほどの、深い深いレベルだった。
2年かけて臨んだが、合格への壁は想像以上に高かった。
そんな私がある時、ひょんなきっかけで、イタリア語スピーチ大会で優勝した経験を持つという齋藤紀子さん(彼女の体験記はこちら)に出会い、彼女の主催するイタリア語スピーチクラブに入った。
日本語でさえ、人前で話すことが苦手な私が外国語のイタリア語で話す?!レベルが高すぎる!!
最初はそう思っていたものの、苦手なことは逃げていても克服はできない。
イタリア語の慣用句にある Sbagliando si impara "間違えた分、成長する!" そう信じて、まさに文字通り、そのスピーチクラブに飛び込んだ。クラブには、イタリア語を日本でも頑張っている仲間がいた。語学学校と違い、先生は存在せず、メンバーそれぞれがお互いの持てるスキルをシェアし、高め合う。そんな場だった。私はすっかり刺激され、イタリア語の勉強に勤しんだ。そして、仲間から教えてもらった勉強法で取り組む。長文読解、リスニングとディクテーション、そして即興で話す練習、もちろん過去問も解いたけれど、問題を解くときは間違えた理由分析まで行った。(写真はイタリア語の勉強に使った参考書など)
迎えた2021年の秋。3回目の正直と臨んだ2級。
一次試験、合格!
そして、二次試験の面接のために、スピーチクラブで練習する機会をメンバーが作ってくれたのだった。
本番の面接では、試験の内容から話が逸れていったものの、面接官の先生とは楽しく話せた。そして、やっとやっとやっとの合格.。家族、友だち、そしてクラブのメンバーがお祝いをしてくれた。
イタリア語検定を通じ、かけがえのない絆が生まれ、私はようやく大輪の花を咲かせることができたのだった。
ここで歩みを止めることなく、これからもイタリア語勉強を続けようと思っている。次の目標はイタリア語検定一級合格だ。いつになるかはわからない、でも……。
Chi va piano, va sano e lontano.
というイタリア語のフレーズにあるように、ゆっくりでも歩みを止めず。そしたら、自分では思ってもいなかったほど、遠くへ辿り着くかもしれない。
イタリア語を志す、多くの方とこれからも一緒に頑張りたいと思っている。
ちなみに、私が所属しているスピーチクラブはこちら。ご興味ある方いらっしゃったら、ぜひ一緒に頑張りましょう!